調査データから
2008年都市生活者web調査(3)「不動産」-住宅の買い替え意識について-


読売新聞が首都圏(1都8県)に住む男女18歳から69歳までの男女2000人を対象に2008年9月に実施した「都市生活者Web調査」で、住宅の買い替え・建て替えについて聞いたところ、約3割が検討中であることが分かりました。また住宅の買い替え・取得を検討している人の中では、「新築住宅のみを検討する」と「新築・中古にこだわらず両方検討する」がほぼ分け合う形となりました。



①現在の住まいは、約半数が持ち家・一戸建て、民間の賃貸マンション・アパートが2割、民間の分譲マンションが17.9%

まず、現在の住まいについてです。

図1 現在の住まい

47.5%の人が自己所有の一戸建て(土地は借地も含む)に住んでいます。続いて民間の賃貸マンション・アパート(21.7%)、民間の分譲マンション(17.9%)の順となっています。


②住まいの買い替え・建て替えを検討している人は3割強

次に現在の住まいの買い替え・建て替え(持ち家以外の人は住宅の取得)意向について見てみます。

図2 住まいの買い替え検討の有無

何らかの買い替え・建て替え(リフォーム含む)を検討している人は全体の34.1%。その内訳は「現在の住まいの建て替えまたはリフォーム」14.4%、「一戸建てへの買い替え」11.0%、「マンションへの買い替え」8.8%となっています。


③自己所有の一戸建てに住む人の4人に1人が建て替えまたはリフォームを検討中

買い替えの有無を持ち家・一戸建ての人と持ち家・マンションの人で比較してみます。

表1 買い替えの有無(持ち家・一戸建て/持ち家・マンション)

現在持ち家一戸建てに住んでいる人の24.5%が現在の住まいの建て替えまたはリフォームを検討し、新しい住宅の取得を考えている人は9.8%(一戸建て=6.6%+マンション=3.2%)に過ぎません。一方、分譲マンションに住んでいる人では現在の住まいのリフォームを検討している人は11.7%、新しい住宅の取得を考えている人は22.1%(一戸建て=12.2%+マンション=9.9%)に上ります。
両者を比較すると、買い替えもリフォームも検討しない人のスコアはほぼ変わりませんが、現状の住まいについて変化を検討しているグループのみを比較すると、自己所有の一戸建てに住んでいる人は現在の居住地を基本に考えている人が多いのに対し、分譲マンションに住んでいる人は、こだわらず買い替えも視野に入れている人が多いと考えられます。

■読売新聞は住まいの買い替え(取得)・建て替え・リフォームを検討している人によく届きます。

図3 一戸建てへの買い替え(取得)を検討している人への到達率


図4 マンションへの買い替え(取得)を検討している人への到達率


図5 現在の住まいの建て替えまたはリフォームを検討している人への到達率


④「買い換えるなら新築のみ」「こだわらず中古も検討」はほぼ同数


図6 買い替え(取得)の対象

一戸建て・マンションの買い替え(取得)を検討している人に対象は新築物件、中古物件どちらかを聞いたところ、「新築のみ」と答えた人は48.4%、「こだわらずどちらも検討」とした人は47.3%とほぼ同じスコアでした。


⑤「一戸建て」では新築のみを検討する人が6割。「マンション」では中古も検討

次に買い替え(取得)対象を一戸建て検討者・マンション検討者別で見てみましょう。

表2 買い替え(取得)対象(一戸建て/マンション別)

一戸建てでは、「新築のみを検討」が60.0%、「こだわらずどちらも検討する」が35.9%であるのに対し、マンションでは「新築のみ」は33.7%、「どちらも」が61.7%とスコアが逆転しています


⑥中古を検討しない理由

④で新築のみを検討する、と回答した人にその理由を尋ねました。(複数回答)

図7 新築にこだわる理由

全体でのスコアは「人の住んだ後はいや」という理由が39.8%でトップ。続いて「修繕費用が気がかり」(38.7%)、「見た目の古さが気になる」(37.7%)が続きます。
一戸建て検討者とマンション検討者で比較すると、全体でのスコアの上位3つまでは両者の間で差はそれほどありませんが、4位以下の項目で差が目立ちます。
一戸建て検討者は「間取り・仕様が現在の生活スタイルに合っていない」が27.3%とマンション検討者(15.3%)よりも高く、またマンション検討者は「最新の設備が導入されていない」(40.7%)が理由の1位になっています。また、「セキュリティ面で不安が残る」(30.5%)、「売却が難しそう」(18.6%)も一戸建て検討者よりも10ポイント以上高くなっています。


⑦中古住宅が購入対象になるには「圧倒的な割安感」「将来にわたっての品質保証・修繕計画」「明確な住宅履歴」がポイント

「新築のみ検討者」に、中古住宅が購入検討の対象になるための条件を聞きました。

図8 中古住宅が購入検討の対象となるための条件

全体の45.5%が「新築と比べ、圧倒的に割安であること」を挙げています。また、同様に税金・住宅ローンの優遇を挙げた人も20.9%いました。「人の住んだ後はいや」という心理的な障壁は、価格でトレードオフできる、ということでしょうか。
また「品質の保証、将来的な修繕計画が明確になっていること」(44.0%)、「リフォーム・修繕の有無やその時期など、住宅の履歴が明確になっていること」(39.8%)のスコアも高くなっています。信頼のできる品質で、きちんと手入れされている住宅であれば、購入の検討対象になるということがわかります。
何があっても中古は検討しないという人も23.6%いますが、逆に言うと、現状では「新築のみ検討者」である人のうち4人に3人は条件がそろえば中古も購入検討の対象になる、と考えていることになります。
一戸建て検討者・マンション検討者を比較すると、「割安であること」(一戸建て43.9%<マンション49.2%)、「大きなリフォームがしやすいこと」(一戸建て:10.6%<マンション15.3%)「中古住宅売買情報が入手しやすいこと」(一戸建て9.1%、>マンション3.4%)でスコアの差が見られます。

2008年11月には、高品質な「200年住宅」を増やすため、長期優良住宅普及促進法が国会で成立、2009年春にも施行されることになっています。環境への負荷を軽減するため、「長く大切に住む」という考え方は今後ますます普及すると思われます。また、質が高く管理の行き届いた中古住宅が増えるということは、住宅を買う消費者の選択肢が増えることにもつながります。今回の調査は、消費者サイドからも、住宅選びのポイントに変化のきざしが見えつつある現状が読み取れる結果となりました。

(吉池)
調査概要:2008年都市生活web調査

調査地域 1都8県(茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、山梨県、静岡県)
調査対象 満18歳〜69歳の男女個人
サンプル数 2000
サンプリング インターネット調査パネルを基にした割当法(性・年代別)
調査方法 インターネット調査 
調査企画・設計 読売新聞東京本社
レターヘッド・実査 NTTビジュアル通信(株)

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