調査データから
2008年度都市生活者web調査(12)日本の「世界遺産」
~「世界遺産」の認知度は? 行ってみたい「世界遺産」は?~



 2008年度に行った「都市生活者web調査」の結果から、日本国内の「世界遺産(または候補地)」についての認知度・訪問意向のデータを紹介します。

当該調査で対象にした「世界遺産(または候補地)」は以下の22です。

【文化遺産】・・・11
*法隆寺地域の仏像建築物
*姫路城
*古都京都の文化財
*白川郷・五箇山の合掌造り集落
*原爆ドーム
*厳島神社
*古都奈良の文化財
*日光の社寺
*琉球王国のグスク及び関連遺産群
*紀伊山地の霊場と参詣道
*石見銀山遺跡とその文化的景観

【自然遺産】・・・3
*屋久島
*白神山地
*知床

【文化遺産候補】・・・7
*彦根城
*平泉の文化財と遺跡群
*飛鳥=藤原:日本の古代首都群の考古遺跡群と関連遺跡群
*長崎の教会群とキリスト教遺跡群
*富岡製糸工場と関連する産業遺産
*富士山
*古都鎌倉の寺院・神社ほか

【自然遺産候補】・・・1
*小笠原諸島

22の場所を対象にしていますので、ベスト・ワーストの数はその半分の11としました。
それでは順に見ていきましょう。



① 最も名前が知られているのは「原爆ドーム」


 まずは、世界遺産であるかどうかの前に、各地の認知度を調べました。

表1 「名前を知っている」

「原爆ドーム」が1位で96.9%が名前を知っています。8位の厳島神社までは9割以上の認知率です。


② 意外に知られていない「富岡製糸場」

次に「全く知らない」のスコアを見てみます。

表2 「全く知らない」

調査対象地域が1都8県のためか、「紀伊山地の霊場と参詣道」はあまり認知されていません。「富岡製糸工場」は群馬県で、調査対象地域内にあるにもかかわらず、全く知らない人が3割います。


③ 「屋久島」が世界遺産であることを知っている人は全体の半数近く

それでは「世界遺産(または候補地)」であることの認知はどれくらいでしょうか。上から半分の11位までのスコアを見てみましょう。

表3 「世界遺産(または候補地)」であることの認知

「屋久島」が2位に7ポイント差をつけての1位。「富士山」はもともとの認知もさることながら、世界遺産になるかどうかが話題になっており、候補であることの認知も高いようです。日本で最初に世界遺産になった「姫路城」ですが、世界遺産であることはあまり認知されていないようです。


④ 「世界遺産(または候補)」であることの認知スコア 下位11

 次は逆に、「世界遺産(または候補地)」であることが知られていないものを見てみます。

表4 「世界遺産(または候補地)」であることの認知

「平泉の文化財と遺跡群」が候補地になっていることの認知率が2割となっています。また「鎌倉」「奈良」は「名前を知っている」のスコアが上位であるのに、世界遺産(または候補)であることはあまり認知されていないようです。アピールの仕方に工夫が必要なのかもしれません。


⑤ 自然遺産はどんな場所か知られていない?

「名前を知っている」のスコアと「何がある場所か、もしくはどんな場所かがわかる」のスコアの差が大きい順に並べると以下のようになります。

表5 「名前の認知度」と「どんな場所かの認知度」に差がある世界遺産(または候補)

「自然遺産(候補)」4つのうち3つがランクインしています。その場所の「どこが具体的に素晴らしいのか」が知られていないようです。また、文化遺産では「古都奈良の文化財」が最もスコアの差があります。日本の歴史を語るには欠かすことのできない場所ですが、現代に翻ると、どんな所かイメージができない人が多いのでしょうか。


⑥ 「日光の社寺」は訪問経験者が65.4%

調査対象者に、22の世界遺産(または候補)について、訪問意向を「1. 行った事がある」「2. 近く行く予定がある」「3. 行ってみたい」「4. 興味が無い」の4つで聞きました。「1.行った事がある」場所のベスト11は以下の通りでした。

表6 これまで訪問したことのある場所

修学旅行の行き先の定番が多く挙がっています。4位の鎌倉までは6割以上の人が訪問しています。


⑦ 「行ってみたい」先の人気が高いのは自然遺産

 次に「3. 行ってみたい」のスコア上位を見てみます。

表7 これから訪問したい場所

上位4つが自然遺産(または候補)で占められました。1位の屋久島は、76.7%の人が行ってみたい場所であると回答しています。世界遺産として屋久島は、認知度・人気度ともにトップであることが分かります。
また、10位に姫路城・11位に彦根城が入っていることからも、「城観光」は安定した人気があると言えそうです。


⑧ 観光するときに参考にする情報源

これら世界遺産(または候補地)を観光するときに参考にする情報源(複数回答)を尋ねました。

図1 世界遺産(または候補地)を観光するときに参考にする情報源

テレビがトップで4割、次いで雑誌、ウェブサイト(SNS・ブログ以外)、旅行会社の情報が3割強、新聞(25.6%)、クチコミ(23.8%)の順です。各メディア間でスコアにそれほど大きな差がないことから、生活者がさまざまな情報源から、バランスよく世界遺産に関する情報を得ていると推測できるでしょう。

◆読売新聞は、世界遺産の情報を求める人に届いています。

図2 「新聞」を世界遺産観光の情報源とする人への到達率

(吉池)
調査概要

調査概要 2008年都市生活者web調査
調査期間 2008年9月8日~18日
調査地域 1都8県(茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、山梨県、静岡県)
調査対象 満18歳〜69歳の男女個人
サンプル数 2000
サンプリング インターネット調査パネルを基にした割当法(性・年代別)
調査方法 インターネット調査
調査企画・設計 読売新聞東京本社
レターヘッド・実査 NTTビジュアル通信(株)

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