新聞のシリーズ広告で企業への信頼度・好感度が向上
単発広告にはないさまざまな効果
読売新聞では、ライオン株式会社の協力を得て、継続して掲載されるシリーズ広告の効果についての調査を2005年12月から06年5月にかけて行った。その結果、企業イメージの向上など単発の広告にはない効果があることがわかった。①啓蒙効果、②企業イメージへの効果、③実売への下地効果、④累積効果、⑤ 継続効果の5つにまとめて紹介する。
調査結果1
シリーズ広告で企業イメージが向上
対象となったのは、ライオンがオーラルケア(口腔内のケア)事業の110周年を機に行ったシリーズ広告である。06年1月から5月まで毎月8日の朝刊に全15段多色で計5回掲載された。
このシリーズ広告では、「毎月8の日はオーラルケアを考える日」として、毎月オーラルケアについていろいろな角度からの提案が行われた。「ムシ歯予防デー」(6月4日)と「いい歯の日」(11月8日)に加えて、毎月、「オーラルケアについて消費者が考える機会を作ろう」という企業メッセージを具体的な商品にこめており、企業広告と商品広告両方の性格を持ったシリーズ広告である。なお、各回とも、当該広告への誘導のために、朝刊1面に小枠広告があわせて掲載されている。

1月8日付 朝刊掲載

2月8日付 朝刊掲載

3月8日付 朝刊掲載

4月8日付 朝刊掲載

5月8日付 朝刊
調査は、25歳~49歳の女性の読売新聞購読者を対象に、シリーズ広告掲載開始前の05年12月から06年5月まで計6回、インターネット調査で行った。サンプル数は各回300人で、毎回この調査を初めて受けるフレッシュなサンプルとし、調査バイアスを防いでいる。
これらの結果、シリーズ広告に接触することで、企業イメージが向上したり、広告接触の確実性を高めたりする効果が認められ、単発の広告にはない効果があることがわかった。
調査結果2
シリーズ広告の総合効果
①啓蒙効果~「オーラルケアへの関心が高まった」
「オーラルケアへの関心の有無」を聞く設問では、掲載を経るにしたがって、また接触回数の多い人ほど関心のある人の割合が上昇している。
これらは、オーラルケア自体への関心を高めることも目的とした広告である。その点からも、ライオンのオーラルケア商品を訴求するための環境整備として、オーラルケアの大切さを啓蒙するという目的をしっかりと果たしていると言える。
図1:啓蒙効果「オーラルケアへの関心」(掲載月推移)
関心度が緩やかに上昇している

図2:啓蒙効果「オーラルケアへの関心」(接触回数別)
接触回数の多い人ほど「非常に関心がある」が高まっている

掲載月推移は、05年12月から06年5月までの各月のデータを使用している。接触回数別は、5月時調査のデータをそれまでの1月から4月と合わせた5広告の閲覧記憶回数として、5月の対象者をグループ分けして集計している。
②企業イメージへの効果~「信頼度・好感度への影響」「オーラルケア分野のライオン」について聞いた信頼度や好感度でも、月を経るにしたがって、また接触回数の多い人ほど、上昇傾向にある。
ライオンはもともと信頼度・好感度とも、非常にスコアが高い。「非常に信頼できる・好感が持てる」と「やや信頼できる・好感が持てる」を合計したスコアで見るとそれほど変化がないが、それぞれ「非常に」だけで見たスコアは確実に上昇している。もともと信頼・好感を持っていた人の意識をさらに高める効果があったといえる。
図3:ライオンの企業イメージへの効果<信頼度>(掲載月推移)
「非常に信頼できる」が緩やかに上昇している

図4:ライオンの企業イメージへの効果<好感度>(掲載月推移)
「非常に好感が持てる」が緩やかに上昇している

図5:ライオンの企業イメージへの効果<信頼度>(接触回数別)
4回以上接触者の「非常に信頼できる」が高め

図6:ライオンの企業イメージへの効果<好感度>(接触回数別)
4回以上接触者の「非常に好感が持てる」が高め

③実売への下地効果~「ライオンのオーラルケア製品使用意向が高まった」「ライオンのオーラルケア製品を使ってみたいと思うか」という設問でのスコアが上昇した。特に接触回数の多い人ほど上昇度が顕著だ。
広告に接触し続けることで、使用意向が高まっているということは、実売への下準備に効果があるということを意味している。店頭プロモーションとの連動の大切さをうかがわせる。
図7:ライオンのオーラルケア商品の実売への下地効果(掲載月推移)
使用意向が緩やかに上昇している

図8:ライオンのオーラルケア商品の実売への下地効果(接触回数別)
接触回数の多い人ほど使用意向が緩やかに高まっている
特に5回とも接触者の「ぜひ使ってみたい」が高い

④シリーズ広告の累積効果~「それ以前の広告を見ていることで、接触の確実性が上がる」第5回の5月8日の広告を見た記憶を、それ以前の接触回数別に見た。「確かに見た」「見たような気がする」を足したスコアは緩やかな上昇だが、「確かに見た」だけのスコアは、確実な上昇を見せている。
つまり、それまでのシリーズ広告をたくさん見ている人ほど、5月8日の広告を確実性を持ってみることができている。シリーズ広告の累積によって、「確かに見た」人を増やすことができているというわけだ。
図9:5月8日のライオン広告を見た記憶(接触回数別:全面広告用意後)
接触回数の多い人ほど「確かに見た」の割合が高まる

⑤シリーズ広告の継続効果~「広告を見た記憶は安定して持続する」毎月1回で5カ月間継続したシリーズ広告であるが、最初の方の広告の記憶はどの程度持つのだろうか。
初回の1月の広告の閲覧記憶を2月以降5月まで毎月聞いた結果が図10である。 最初の1カ月で6割程度まで落ちるが、それ以降は変化がない。毎月緩やかに下がっていくのではなくて、1カ月後以降は一定で保たれる、というのは注目される。 もし、これがシリーズ広告でなく、毎月の掲載がなかったとしても記憶がこのように保たれるかどうかは、今回の結果からはわからない。しかし、少なくとも毎月掲載していれば、5カ月前の広告の記憶が維持される、という結果となった。
図10:1月8日のライオン広告を見た記憶(再認後)
掲載1カ月~4カ月後まで記憶が維持されている

また、ここには紹介していないが、2月掲載広告の5月までの記憶、3月掲載広告の5月までの記憶も、上記グラフと同じように維持されている。
【調査概要】
* 調査方法: Webアンケート調査
* 対象者: マーシュリサーチモニター(25~49歳女性)
* 調査地域: 東京圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)と大阪圏(大阪府、京都府、兵庫県、奈良県、滋賀県)
* 調査期間:事前調査2005年12月26日、27日
①2006年1月8日、9日
②2006年2月8日、9日
③2006年3月8日、9日
④2006年4月8日、9日
⑤2006年5月8日、9日
* サンプル数:女性300名(読売新聞購読者)
* 調査企画・設計 読売新聞東京本社広告局
* 調査実査 MRD