新聞・テレビのクロスメディアがOSのブランド認知やイメージ向上に力を発揮
クロスメディア効果を実感



1972年生まれ。97年早稲田大学商学部卒業。2002年同大学大学院博士後期課程修了。早稲田大学産業経営研究所助手、東京富士大学経営学部専任講師を経て、05年より現職。広告論担当。著書に『エッセンスで読むコトラーのマーケティング 入門の入門』(あさ出版)、『新しい広告』(電通、共著)、訳書に『経験価値マーケティング』『経験価値マネジメント』(ダイヤモンド社、共訳)などがある。

今回は、パソコン用基本ソフト「Windows Vista」の導入キャンペーンでした。クロスメディアの目標としては、店頭への誘導とWebでの検索の二つをあげることができると思います。新製品の導入キャンペーンでは、短期間に商品の認知率を高めるため、発売時に広告出稿を集中することが多いようです。

今回の調査結果(図1)でも新聞本紙やテレビを中心に広告出稿を集中させている様子が、インパクト・スコアからうかがえます。また、週末(1月27 日と2月3日)には新聞チラシを展開しており、店舗への誘導をねらった展開がインパクト・スコアにも表れているといえるでしょう。

商品がパソコン用基本ソフトということもあり、Webでの検索件数も調べられています。特徴的なのは、発売2日後の2月1日に検索数が非常に高くなっている点です。調査対象者の10%にあたる人たちが、この日にWindows Vistaについて検索しています。

この背景には広告だけでなく、新製品発売のニュースなどの影響もあるのではないでしょうか。今回の商品は、大型の商品でしたから、キャンペーンの事前調査でもある程度の認知度がありました。発売直後の様子がメディアに取り上げられ、その結果がインターネットでの検索にも影響したと見ることもできると思います。

インパクト・スコアの変化も面白いと思います。「確かに見た」に注目してみると、7~10ポイントから11ポイントのところで、広告認知率がほとんど変わらなくなっています。広告の接触がある程度の量になってから、はじめて効果を発揮するということがありますが、広告の認知率だけで見た場合、7ポイント以上のインパクト・スコアが閾値になって「確かに見た」に影響すると考えることができます。

この傾向は、マインドシェアでも同様に見ることができます。認知率や純粋想起の結果を、インパクト・スコアをパソコン用基本ソフトやパソコンへの興味関心との関わりで見られると、さらに興味深い結果が得られるのではないでしょうか。

マインドシェアと媒体への接触パターンとの関係では、テレビと新聞の両方に接触している人の方がマインドシェアは高く出ています。Webでの検索も両方の媒体に接触した方が高いということでした。これは、クロスメディアの効果といえると思います。

複数の媒体を使って効果を上げて行くには、複数の広告をただ使えばよいというわけではなく、広告表現や各媒体への出稿タイミングも重要になってきます。新聞やテレビのニュースでも取り上げられるような製品の場合には、インパクト・スコアの対象を新聞記事などにも広げてみると、媒体のインパクトが一層明確になるのではないでしょうか。

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