研究レポート
新聞広告がWebへの誘引に威力を発揮
新聞広告をきっかけにネットにアクセスする2タイプとは

読売新聞では、インターネットへ新聞広告が誘引するのはどんな人たちなのか、を分析した。
それによると、新聞広告をきっかけにWebサイトへアクセスする人は2タイプに分けられる。①いろいろな広告に反応する「新聞広告+α反応者」、②新聞以外の広告には反応しない「新聞広告のみ反応者」である。
それぞれどんな性格を持つ人たちなのか。分析結果を紹介する。

調査結果1
マス広告の誘引力ベスト3は
新聞・雑誌・テレビ

Webサイトでの情報収集を意識して組み立てられる広告キャンペーンが多くなってきている。「マス広告からダイレクトに」、もしくは「マス広告からリスティング広告を介してキャンペーンサイトへ」、という展開が一般化しつつある。
株式会社ビデオリサーチインタラクティブの行う「WebPAC」調査をもとに、生活のインフラとして位置づけられてきているインターネットへ新聞広告が誘引するのはどんな人たちなのか、を分析した。

WebPACは、インターネットユーザーのマーケット特性を多角的に分析することを目的として、2001年から行われている。どのようにインターネットを利用しているのかについての様々な質問に加え、各種媒体の接触状況や所有・欲求商品、ライフスタイルなど多種多様な設問で構成されている。

対象者は、インターネットオーディエンスデータ、いわゆるインターネット視聴率を調査する「WebReport」の対象者も兼ねている。 WebReportは、全国1万人以上のパネラーのPCにインストールされた調査ソフトによって、いつ、どのサイトにアクセスしたのかのデータが収集されるものである。

このアクセス先データとWebPACのプロフィルデータをあわせ見ることによって、性年代などの基本属性だけでなく、どんな消費性向の人たちがアクセスしたのかまで分析ができることが特徴である。

まず、WebPACのデータから、Webサイトへのアクセスのきっかけが何かを見てみよう(図1)。2割を超す7項目のうち、マス媒体が5項目を占め、誘引力の強さをうかがわせる。またマス5項目のうちの広告は「雑誌広告」と「新聞広告」で、広告では印刷媒体が強い。テレビCMも9位となっており、マス広告では、雑誌・新聞・テレビの3つがWeb誘引力ベスト3となっている。

図1:Webサイトにアクセスするきっかけ

しかし3マス広告の影響力は、それぞれ別個に単独で存在しているのではない。図2のように、重なりあっている。つまり3つの輪が重なった部分の人は、新聞広告を見てアクセスするときもあれば、雑誌広告を見てアクセスするときも、テレビCMを見てアクセスするときもある、ということだ。

図2:マス広告反応者を100%とした場合の、各領域のシェア

この3マス広告の影響力についての分析は、 読売ADリポート「ojo」10月号で行っているのでごらんいただきたい。
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調査結果2
ともに情報感度が高いが
プロフィルが異なる「新聞広告のみ」「新聞広告+α」

「WebPAC対象者全体」のスコアは、自宅でのネットユーザーの一般像と見ることができる。これから紹介するほぼすべての項目で「マス広告反応者」も個々の媒体広告反応者も、「WebPAC対象者全体」より高い数値になっている。

つまり広告を見たことをきっかけにWebサイトへアクセスするような人は、一般より情報感度の高い人たちだということができる。

「新聞広告のみ」と「新聞広告+α」の違いはいろいろあるが、もともとどちらも情報感度の高いグループの中にあるということである。

「新聞広告のみ反応者」は、新聞へのロイヤリティと年代が高く、広告では新聞にしか反応せず、インターネットのライトユーザーである。ネットのヘビーユーザーであれば、企業が発信する情報に広告で接触しなくてもネット上でいずれ行き当たる可能性もあるが、この人たちはそうではない。新聞広告をうまく活用して接触したいターゲットだ。

他方、「新聞広告+α反応者」は、新聞にとりわけロイヤリティがあるわけではなく、新聞に限らずマス広告に反応し、ネットも使いこなすため情報感度が高い。この人たちに対しては、クロスメディアの中でうまく新聞広告を活用することが功を奏すだろう。

表1は、性年代別と自宅でのネット利用時間別のプロフィルを、3つのマス広告反応者、そして新聞、テレビ、雑誌広告それぞれの反応者、さらに新聞については、新聞広告のみに反応している人と、新聞に加えてテレビCM、雑誌広告、もしくは両方に反応している「新聞広告+α反応者」に分けて見たものだ。

表1:性年代別と自宅でのネット利用時間別のプロフィル


「新聞広告反応者」としてひとくくりで見たときは、性年代別では男性30代以上、女性では30・40代、自宅でのネット利用時間別では30分以上使う人で多い、という傾向になる。

しかし「新聞広告のみ反応者」と「新聞広告+α反応者」に分けてみると、この2つの層は少し違った性格を持っていることがわかる。「新聞広告のみ」は男女ともに50歳以上、「新聞広告+α」は男女30・40代が高めとなっている。また、自宅でのネット利用時間は、「新聞広告+α」は30分以上で明らかに高くなるのに対し、「新聞広告のみ」は利用時間による差は顕著には出ていない。

ここからわかることは、同じ新聞広告をきっかけとしてアクセスする人でも、マス広告では新聞広告しかきっかけにしていない若干高年代のグループと、新聞に加えほかの広告もきっかけにする、それより少し若めのグループに分かれている、ということだ。

広告では新聞だけが力を発揮する「新聞広告のみ反応者」、新聞とほかの広告媒体をからめて情報に接触している「新聞広告+α反応者」。2つのターゲットを理解することは、新聞広告の有効活用につながるはずだ。

では、WebPACの様々なデータとクロスして、「新聞広告のみ」と「新聞広告+α」の2層の違いを把握していきたいと思う。

ネットの利用状況を見てみよう。「WebPAC対象者全体」と比べると、マス広告反応者はネットをよく使っている。その中で、「新聞広告+α」と「新聞広告のみ」を比較すると、「新聞広告+α」の方が、職場での利用率(表2)、自宅での利用頻度いずれも「新聞広告のみ」よりも上回っている(表3)。

表2:自宅以外のインターネット利用場所


表3:インターネット利用頻度[自宅]


「新聞広告+α」はネット検索の利用頻度が高い。「新聞広告のみ」は低い(表4)。

表4:インターネット検索の利用頻度


「新聞広告のみ」は「暇つぶしのため」にネット検索を行う人が少ない(表5)。

表5:インターネット検索の目的


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「新聞広告+α」はブックマークに情報源を登録してある人が多い(表6)。

表6:見たいサイトへの到達方法


「新聞広告のみ」は新聞意識の高い、新聞のヘビーユーザーである。「新聞広告+α」はマス広告全般、特に新聞広告が好きな人たちである(表7)。

表7:日常生活意識Ⅰ


「新聞広告+α」はネットが生活の必需品になっており、ネット上の広告にもアクティブに反応する。「新聞広告のみ」は「新聞広告+α」よりはやや低め(表8)。

表8:日常生活意識Ⅱ


「新聞広告+α」はネット上で欲しい商品の比較検討をするが、「新聞広告のみ」はあまりしない、ことのほか、「広告を見てのアクセス」「SNSコミュニティへの参加」「ブログへのコメント」など、ネット内での活動が活発な「新聞広告+α」と、ややおとなしい「新聞広告のみ」。ただし「ネット上での通信教育利用意向」は「新聞広告のみ」が「新聞広告+α」に引けを取らない(表9)。

表9:日常生活意識Ⅲ


Eコマースサイトへのアクセスとコンバージョン(資料請求・見積もり・購入・契約)は、「新聞広告+α」の方が高いが、購入・契約までいたった割合は「新聞広告+α」も「新聞広告のみ」もほとんど同じ。つまり、「新聞広告のみ」は、「新聞広告+α」ほどは比較検討をしないで購入する傾向があるようだ(表10)。

表10:Eコマースサイトへのアクセスとコンバージョン


(国友)

【『WebPAC』調査概要】

* 調査期間: 2005年11月7日~11月30日
* 調査エリア: 全国47都道府県
* 対象者抽出方法: インターネットオーディエンスデータ『WebReport』に登録している12歳以上のパネラー
* 調査方法: 郵送調査
* 有効回答数: 7,640サンプル(指令:11,044サンプル)
* 標本構成(性・年代別)
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