「新聞は」信頼できて誠実な友だち、「テレビ」と「インターネット」はムードメーカー
メディア評価と接触時間量の変化
読売新聞広告局では、生活者の媒体接触状況や消費実態などを探るため、2007年9月に「都市生活者Web調査」を実施しました。その中から「メディア」に関するデータをお届けします。
新聞やテレビといった既存のメディアに加え、近年、インターネットや携帯電話といったメディアが急速に存在感を増しています。メディア環境が変化する中で、生活者はそれぞれのメディアにどのように接し、どう感じているのでしょうか。メディアを友だちに見立てて行ったユニークな調査結果や、各メディアへの接触時間、各広告に対するイメージの調査の結果も紹介します。
調査結果1
メディアを友だちにたとえると?
生活者の各メディアへのイメージを探るため、メディアを友人に見たててイメージを答えてもらう調査を実施しました。そのため「好きな」「信頼できる」といった通常のメディアイメージの調査でも聞くような項目に加え、「のんびりした」や「愛嬌がある」といった項目も含まれているのが特徴です。
表1は、各メディアと「友だちと付き合うとき重要だと思うこと」のそれぞれ上位5項目です。「友だち」で重視する「信頼できる」「誠実な」という上位2項目が、唯一、「新聞」でのみ見られます。「新聞」は他に「ためになる」「威厳のある」などの項目があり、友人でたとえるなら頼れるリーダー的存在とでも言えるのではないでしょうか。
「楽しい」「好きな」といった項目は、「新聞」には見られませんが、「テレビ」「雑誌」「インターネット」ではいずれも上位に位置しています。特に「テレビ」と「インターネット」ではともに「付き合いやすい」という項目も上位に入っており、2つのメディアイメージは近いようです。違いは「テレビ」の「昔から付き合っている」に対し、「インターネット」の「新顔の」という以前からあるメディアか、最近登場したメディアかという点にあるようです。
メディアの新旧という点では、「テレビ」だけでなく、4マス媒体がいずれも「昔から付き合っている」が上位に入っており、長い付き合いであると認識されているのに対し、「インターネット」はまだ付き合いが浅いという印象のようです。
「雑誌」「ラジオ」については、いずれもトップの項目でも20~30%程度の回答で、他の3媒体と比較すると特徴が弱いようにも見受けられます。しかし、「ラジオ」で2番目に多かった「のんびりした」といったイメージは他のメディアではいずれも10パーセント程度となっているなど、それぞれ他のメディアとは違ったイメージを持たれているようです。控えめではあるがしっかりと個性は持っている友人、そんな印象のようです。
表1 「友だちと付き合うとき重要だと思うこと」と各メディアのイメージ上位5項目

さらに、各メディアと友だち、その評価の関係をみるために、コレスポンデンス分析を行いました。
「友だち」は「信頼できる」「尊敬できる」「誠実な」というイメージと近いことがわかります。「新聞」は「芯のある」というイメージと近く、「インターネット」は「付き合いやすい」「楽しい」といったイメージと近く、それぞれ他のメディアとは異なる、唯一無二の存在となっているようです。一方、「テレビ」「雑誌」「ラジオ」はイメージが近く、評価が似ています。
「友だち」とイメージが一致するメディアはないようですが、X(重厚・軽さ)軸上では「芯のある」や「信頼できる」といったイメージとともに「新聞」が近く、重い存在である、まじめであるといった点において「新聞」と「友だち」のイメージが近い様子がうかがえます。また、Y(緊張・リラックス)軸上では「信頼できる」「付き合いやすい」といったイメージとともに「インターネット」が近くなっており、堅苦しくない、リラックスして付き合いやすいという点で「友だち」と「インターネット」のイメージが近いようです。
図1 「友だちと付き合うとき重要だと思うこと」および媒体別広告評価のコレスポンデンス分析

調査結果2
およそ半数の人が1年前に比べ「インターネット(PC)接触時間が増加
「新聞」は若年層で増加傾向
「新聞」「テレビ」「インターネット(PC)」「インターネット(携帯電話)」などの8つのメディアの接触時間について、1年前との変化を尋ねました。
「インターネット(PC)」では49.1%という、実に半数近い人が「増えた」と答えました。それに対し「減った」という人は5.5%にとどまっています。8つのメディアの中で「増えた」が「減った」の時間を上回っているのは「インターネット(PC)」「インターネット(携帯電話)」のみで、「インターネット」が生活に浸透してきている様子がうかがえます。
では、「新聞」はどうでしょうか。「新聞」は「増えた」の12.7%に対し、「減った」が17.2%とやや上回るものの、「変わらない」は7割に達し、すべてのメディアの中でその割合がもっとも高いのが特徴です。「テレビ」「雑誌」が「減った」が3割を超え、「変わらない」も5割台であるのと比べると、その安定ぶりが際立ちます。「インターネット」が急成長する中で、「新聞」はその影響も少なく、変わらず読まれていると言えるのではないでしょうか。
図2 各メディア接触時間の1年前との変化(N=2,000)

続いて、「新聞」の接触時間の変化を、年代別に見てみましょう。40歳以上では「変わらない」が7割を超えており、特に安定していることがわかります。では、若年層はどうでしょうか。18~29歳では「増えた」が2割に達し、他の年代に比べその割合が高いのがわかります。大学生や新社会人なども含まれる年代だけに、生活や環境の変化をきっかけに、新聞を読む習慣が根付いたという人の姿も想像できます。
図3 【年代別】新聞接触時間の1年前との変化

調査結果3
チェックするのは新聞広告、つい見てしまうのはテレビCM
各メディアの広告媒体としての評価を、「広告をチェックする」「つい見て(聞いて)しまう」などの項目などの項目で探りました。
「広告をチェックする」では半数を超える人が「新聞広告」を挙げもっとも多く、「つい見て(聞いて)しまう」では7割近い人が「テレビのCM」を挙げもっとも多いという結果になりました。能動的に見るのが新聞広告、意識しなくても飛び込んでくるのがテレビCMと言えそうです。「新聞の広告」が「あっても邪魔にならない」が4割を超えてもっとも多いというのも、新聞広告を能動的に読んでいることの1つの表れではないでしょうか。
その他の項目についても、多くの項目が「新聞の広告」と「テレビのCM」が上位2つを占めており、多メディア時代においても、その存在感が薄れていないことがわかります。
接触時間が増加している人が多い「インターネット」ですが、「広告に出ていると、企業・商品の広告の評価が高い」「広告の内容に共感できるものが多い」といったブランドイメージの構築に影響が大きい項目で評価している人が1割に満たないなど、広告評価という点ではこれからのようです。
表2 各イメージに当てはまる広告(複数回答、N=2,000)

(藤木)
2007年度都市生活者WEB調査(東京圏)
* 調査期間 : 2007年9月7日~9月18日
* 調査地域 : 東京、神奈川、千葉、埼玉、群馬、栃木、茨城、静岡、山梨
* 調査対象 : 満18~69歳の男女個人
* サンプル数 : 2,000
* サンプリング : 割当法(性・年代)
* 調査方法 : インターネット調査
* 調査企画・設計 : 読売新聞東京本社広告局
* レターヘッド・実査 : NTTビジュアル通信(株)