研究レポート
「世メディア調査」から――新聞広告のリラックス落差とは

博報堂DYメディアパートナーズが、新聞と新聞広告の価値を検証する調査を実施し、「新聞は世メディアです。」という調査結果を発表した。当よみラボでは、調査結果の一部にスポットを当てる。後半は、博報堂DYメディアパートナーズの寄稿によって、調査結果を紹介する。寄稿による調査結果はこちら

監修者嶋村先生のコメント

監修者広瀬先生のコメント

1.新聞はリラックスメディアか?
博報堂DYメディアパートナーズは、新聞を「世メディア」つまり、世の中の全体像が一目でわかる、世の中の話題の起点になるメディアだと結論付けている。

世間常識を育成する、大人になったら読むべきもの、ということからもわかるように、まじめな、堅いメディアということだ。下記の図は「リラックスした気分で接触できるメディアは?」のデータだが、新聞と答えた人は21.5%で、対象メディア中、最も低いのも当然と言えるだろう。


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2.新聞広告の存在価値はなくなって初めてわかる
一方、博報堂DYメディアパートナーズは、グループインタビューにおいて「もしも新聞に広告がなかったら」というお題での発言を収集している。

その結果「文字ばかりで代わり映えせず、変化がない」「記事ばかりでも寂しい」など、広告の存在価値を肯定的にとらえる発言が見られた。
もしも「あなたが読んでいる新聞に広告が必要ですか」というストレートな質問をしたら(怖くてしたことはないが)、必要だという割合は少ないはず。しかし、読者それぞれは広告を選別して自分の興味ある、必要な情報は収集しているわけで、消極的必要状態にあると言える。「もしも新聞に広告がなかったら」というお題だったからこそ、なくなって初めてわかる存在価値が明らかになったのだと思う。絶妙の聞き方には脱帽だ。
なお、参加者には直前2日間、「新聞を読まない」でグループインタビューに臨むよう求めており、実際に新聞がない生活を2日間ではあるが経験した上で答えている。「もしもなかったら」と頭で想像するのではなく、実体験から出て来た言葉だということが説得力を高めているといえるだろう。

グループインタビューより
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3.新聞広告にはリラックス落差がある
グループインタビューの「広告はリラックスして見ることができる」という発言にも注目したい。

先述のように新聞自体はリラックス要素が少ないメディアであると捉えられているが、新聞広告は「気分転換」「箸休め的存在」「安らぎ」など記事の合間のリラックスタイムとして機能しているということである。テレビはもともとリラックスメディアであり、テレビCMも同様にとらえられていることが想像できるが、新聞は記事と広告ではリラックス度に落差があるということになる。いつも面白いことを言っている人が言う冗談より、いつも真面目な人がたまに言う冗談の方が効果的なことがあるように、新聞のリラックス落差を生かした発想のクリエイティブはおもしろいのではないだろうか。新聞広告の存在意義の一解釈として提案したい。

(国友)

この後は、博報堂DYメディアパートナーズの寄稿による、調査結果紹介です。
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<寄稿>「新聞の価値と新聞広告の価値-生活者は新聞広告をどのように捉えているか?-」
博報堂DYメディアパートナーズ
新聞価値検証調査「新聞は世メディアです。」調査結果より


インターネット全盛の時代だからこそ、クローズアップできる新聞のよさがあります

「インターネット全盛の時代だからこそ、クローズアップできる新聞のよさがある」との思いから、博報堂DYメディアパートナーズは、新聞及び新聞広告の価値を検証する調査を実施しました。
インターネットの浸透、メディアの細分化などにより、メディアの「個化」が進む中、生活者は、新聞を世の中の話題の起点となり、世の中の全体像が一目でわかる”生活の幹”となる情報源と捉えていることが調査によってわかりました。
新聞には「世の中の流れの一覧性」「世間との接点形成」「世間常識の育成」「世代を超えた普遍性」などの価値があることから、我々は、新聞を「世メディア」と名づけました。ここでは、「世メディア」である新聞の広告はどのような価値を持っているかにスポットライトを当てて、データをご紹介していきます。

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新聞は「世の中の流れを一覧できる」メディアです
まずは、新聞がどのような役割を持つメディアかをご紹介します。

生活者は、新聞を「世の中で何が起きているかを手っ取り早く、幅広く知ることができるメディア」と捉えていることがわかりました。 また、新聞が発信する情報は、情報としての代表性があると考えていることも確認できました。



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新聞には「出会い頭効果」があります
次に、新聞の持つ効果についてです。

 新聞が「一覧性」を持つことから派生した効果として、情報に偶然出会うことができる「出会い頭効果」があることがわかりました。

新聞には自分の想像や興味の範囲を超えた発見がある

出会い頭効果は新聞の記事だけではなく、新聞広告においても確認されました。

グループインタビューより


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新聞広告の信頼性は健在です
次は、従来から新聞広告の特性と考えられている「信頼性」はいま、どう捉えられているのかをご紹介します。

 「広告に安心感や信頼感がある」「優良な企業が広告を出している」は全メディア中新聞がトップとなっており、新聞広告の「信頼性」は健在であるといえます。

広告に安心感や信頼感があるメディアは?

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新聞広告のメッセージ伝達力は高く評価されています
さて、新聞広告のメッセージは生活者にどのように届いているのでしょうか?

新聞広告のメッセージの伝達力は高く評価されており、新聞広告を見て、「納得したことがある」と答えた人は66%と7割近くもいることがわかりました。
また「感動」という強い言葉で調査しても全体で41%、事業主・経営層に限ってみると、52%が「あてはまる」と答えています。

新聞広告を見てメッセージに納得したことがある

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新聞は「地続き」メディアです
新聞の価値と新聞広告の価値の関係性を明らかにするために、生活者が新聞広告をどのような気持ちや態度で見ているかを調べてみました。

その結果、新聞は他メディアと比較して、「記事と広告の垣根が低い」メディアであることがわかりました。
記事と広告が「地続き」で、記事を見ているときに、そのまま視線をずらすだけで広告に接触することができるため、記事と広告に接しているときとで気持ちや態度が変わらないと捉えられています。

広告が邪魔にならないメディアは?

新聞は「記事と広告の垣根」が低く、記事と広告とで接触時の気持ちや態度が変わらないメディアと考えられていることがわかりましたが、「リラックス」という点においては、記事と広告に接する時の気持ちや態度に落差が生じることも発見できました。

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新聞広告の表現力
最後に、新聞広告の手法についての調査結果をご紹介します。

カラーの効果、スペースの効果は予想通り顕著でしたが、モノクロであっても小スペースであっても十分に効果が残せる可能性があることがわかりました。



(博報堂DYメディアパートナーズ メディア・コンテンツマーケティング局 新美妙子)


調査概要
1.グループインタビュー
調査地域 : 東京
調査対象/グループ : 月極めで新聞(一般紙)を定期購読しており、ほぼ毎日読んでいる人
–20~34歳男性有職者(パート・アルバイトを除く)
–35~49歳男性有職者(パート・アルバイトを除く)
–30~39歳女性有職者(パート・アルバイトを除く)
–30~39歳専業主婦
以上、計4グループ各グループ8人、計32人
調査実施時期 : 2007年11月6~9日


調査概要
2.フィールドサーベイ
調査方法 : 博報堂Hi-panel を利用したWEB調査
調査対象 : 首都圏40km圏・京阪神圏20km圏 / 15歳~69歳男女
有効回収サンプル数 : 1050s(性×年齢区分で均等割り付け / 東阪比率 2:1)
合計首都圏京阪神圏
サンプル数1,050700350
T層15010050
M1層15010050
M2層15010050
M3層15010050
F1層15010050
F2層15010050
F3層15010050
平均年齢39.0738.6739.47
調査期間 : 2008年1月31日(木)17:00 ~ 2月5日(火) 10:00締め
調査実施:(株)東京サーベイ・リサーチ(株)アクセス・ジェーピー

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