① 若年層で新聞を読むのは良質ターゲット層~アナログデバイドが起きている
まず、20・30代の若年層のメディア接触を男女別に見てみる(図1)。
男女とも、新聞を読む人は読まない人に比べていろいろなメディアへの接触割合が高いことがわかる。ここから類推されるのは、「新聞を読む人は情報収集意欲が高く、いろいろなメディアに接する」ということである。新聞を読む読まないが情報感度を見分けるキーになっていると考えられる。
スコア差があるのは、メディア接触にとどまらない。生活意識比較(図2)でも、男女とも健康管理・将来設計・環境意識などさまざまな面での意識で新聞を読む人のほうがスコアが高い。
買い物意識(図4)からは、新聞を読む人は「あちこちの店を見て歩くのが好き」など消費行動でも熱心で、バーゲン情報に興味を持ち、景品や懸賞でものを買う、つまりキャンペーンにも乗ってくる人たちだということがわかる。
また、車の所有率(図5)でも新聞を読む人は明らかに高い。新聞を読む人は車を持ち、読まない人は車も持たない。
社会の一員としても、広告・消費ターゲットとしても有望な層=「新聞を読んでいる人」、ということになる。かつて「デジタルデバイド」と言われたが、特に若年層においてデジタル環境は当たり前のものである今、デバイドは新聞に見られるようになったと考えられる。言わば「アナログデバイド」である。「若年層の新聞離れ」という言葉をよく聞くようになっているが、若年層は一様ではなく、新聞でアプローチできる若年層があり、それは広告ターゲットとして優良な層である、と言えるのではないだろうか。
② 新聞を読む人=情報感度が高いというのは、若年層に限らない傾向
今度は媒体への接触を年代を限定せず全体で見てみよう(図6)。
20・30代同様、新聞を読む人の方が高めとなっているものが多い。新聞を読む人は、新聞に限らずいろいろな媒体から情報収集する人たち、というのは、若年層だけでなく、全体的に見られる傾向だということがわかる。
「テレビ」「ラジオ」「雑誌」「ケーブルテレビ」「フリーペーパー」など多くの媒体では、スコア高低の境目は「週に1日以上」と「月に1日以上」の間にあり、スコアが高いのは「ほぼ毎日」+「週に1日以上」読む人である。毎日習慣的に読むのとは異なる形態で新聞に接触する情報感度の高い層があるということは、興味深い。このような人たちはどんなきっかけでどんなふうに新聞を読むのか、今後のテーマとしたい。
「携帯サイト」「インターネットサイト(ブログやSNS)」は、新聞閲読頻度が中庸な人でのスコアが高めでほかの媒体とは傾向が異なる。これらは、情報を積極的に取るのとは違う目的、例えばひまつぶしなどで接する媒体ということを示しているのではないだろうか。
③ ネットやデジタル機器の影響を最も受けていないのが新聞
雑誌やCDが売れないのがネットや携帯電話のせい、と言われることがあるが、それを検証するデータにはなかなかお目にかからない。「media in mind」では、インターネットやデジタル機器を利用するようになって起こった変化について聞いている(図7)。
半数が「あまり買わなくなった」という雑誌を筆頭に、影響を受けたものは多いが、調査された中では、「新聞をあまり読まなくなった」のスコアが最も低く、影響を最も受けていないという結果だった。
(国友)