① 人付き合いに積極的な2割を「オピニオンリーダー」と定義
オピニオンリーダーとはどんな人か。まず想定したのは、人付き合いに貪欲で、その中でも人から頼りにされたり、アドバイスをしたりすることが多い人であろうということだ。それを見分けるために、15のチェック項目について自分があてはまるかどうかを答えてもらった。
「あてはまる」または「まああてはまる」とした人をその項目の該当者として項目該当数で分類したところ、「あてはまる」または「まああてはまる」と答えた項目数が11~15個あった人は20.8%(415人)、6~10個が23.0%(459人)、1~5個が36.9%(737人)で、「あてはまる」または「まああてはまる」が一つもなかった人が19.5%(389人)だった。「11~15個」該当者は、人付き合いにおけるリーダー的存在と考えられる。全体の2割に当たるこのグループを「オピニオンリーダー」と仮定したい。
② コミュニティでのまとめ役がオピニオンリーダー
人付き合いにおけるリーダー的存在は、発言力を持って世話役、まとめ役をしているはずである。そこで自治会・町内会の役員、同好会・サークルの役員など社会的活動の経験を聞いた。「現在、活動している」と「過去に活動していた」を合わせた経験度を見てみると、人付き合い項目該当数で分けた4グループのうち、「オピニオンリーダー」(11~15個)はほとんどの項目で最も高い経験率を示し、該当数が少なくなるに従ってスコアが下がる傾向となった。「オピニオンリーダー」の経験率が特に高いのは「趣味の仲間の世話役」「同好会・サークルの役員」「同窓会の役員」「就職の紹介」など。「PTAの役員」は比較的差が小さいが、これはある程度平等に回ってくる性質のものだからだろう。その点、「趣味の仲間の世話役」「同好会・サークルの役員」のように、私的なグループ内でのまとめ役で、人選にメンバーの納得が必要な性質のもので「オピニオンリーダー」のスコアが突出するのは、人付き合いのリーダー的存在=オピニオンリーダーであるという仮説を裏付けるものである。
③ オピニオンリーダーは、性年代や最終学歴、就業形態に関わらず一定数存在
性年代や最終学歴、就業形態の別によって、人付き合い該当項目数による4グループの構成比がどうなっているかを見てみた。女性は年代が上がるほど「オピニオンリーダー」の比率がやや増えるなどの傾向はあるが、どの層でも2割前後で一定している。「オピニオンリーダー」は特定の層に集中して存在するわけではなく、デモグラフィックな特性に関係なく各層に一定数いる存在であるということがわかった。
④ オピニオンリーダーはボランティアにも積極的
性年代、最終学歴、就業形態といったプロフィールに影響されないとすると、オピニオンリーダーを見分けるキーはどこにあるのだろうか。先ほど、特に私的なグループでのまとめ役を務めることが多い、という特徴を明らかにしたが、衆目が一致する人選であると同時に、その役目を引き受けるボランティア精神を備えていることも必要なはずである。そこで、身近なボランティア活動(13項目)の経験度について、人付き合い該当項目数による4グループ別に見た。ここでも「オピニオンリーダー」が高いスコアを示し、項目数に比例した結果となった。
「オピニオンリーダー」は、まとめ役を引き受けて自分が属するコミュニティへ貢献するにとどまらず、広く社会へのボランティア行動を実践しているということになる。特に「オピニオンリーダー」での経験率が群を抜いたのは「目の不自由な人や老人が横断歩道を渡るのを助ける」だった。巷で見かける「いい人」が「オピニオンリーダー」だということになる。
⑤ オピニオンリーダーは新聞をよく読んでいる
さて、次に「オピニオンリーダー」と新聞の関係について見てみよう。新聞の閲読頻度を人付き合いの該当項目数の4グループ別に見ると、人付き合いに積極的なグループほど新聞を読んでいる頻度は高く、「オピニオンリーダー」は「ほぼ毎日」が68.4%で、閲読頻度が最も高いことがわかった。人から頼りにされ、まとめ役も務める「オピニオンリーダー」は頼られるに値する知見を持っている人のはずである。今回は新聞についてのみ調べたが、新聞に限らずいろいろなメディアから情報を収集することに意欲的であることが予想される。
⑥ オピニオンリーダーに最も読まれているのは読売新聞
最後に、「オピニオンリーダー」への購読紙別の到達率を紹介する。読売新聞が34.7%と最も高いリーチを見せている。
(下宮)